一人親方が入れる労災保険をご存知でしょうか?
一人親方の方は通常、労災保険に入ることが出来ません。労災保険とは本来、労働者の業務や通勤による災害に対して保険による給付を行う制度です。ですが、労働者以外でも、その業務の実情や災害の発生状況などからみて、労働者と同じような保護が必要であると認められる場合に限り「特別加入」が認められています。 わたしたち人材開発協会では、このような一人親方の方が労災保険に入るサポートをしております。労災保険に加入をご検討中の場合には、是非最後までご覧ください。
特別加入者の範囲について
労災保険に加入できる一人親方の条件は、労働者を使用していない、かつ、下記1~7の事業を行う方を対象としています。
- 自動車を使用して行う旅客または貨物の運送の事業(個人タクシー業者や個人貨物運送業者など) (注)詳細については、表1を参考にしてください。
- 土木、建築その他の工作物の建設、改造、保存、原状回復(注)、修理、変更、破壊もしくは、解体またはその準備の事業(大工、左官、とび職人など) (注)除染を目的として行う高圧水による工作物の洗浄や側溝にたまった堆積物の除去などの現状回復の事業も含みます。
- 漁船による水産動植物の採捕の事業(7.に該当する事業を除きます)
- 林業の事業
- 医薬品の配置販売(薬事法第30条の許可を受けて行う医薬品の配置販売業)の事業
- 再生利用の目的となる廃棄物などの収集、運搬、選別、解体などの事業
- 船員法第1条に規定する船員が行う事業
- 家政婦紹介所の紹介等により個人家庭に雇用され、家事、育児等の作業に従事する者、介護作業従事者
表1 自動車を使用して行う旅客または貨物の運送の事業一覧表
ア | 道路運送法(昭和26年法律第183号)第4条の一般旅客自動車運送事業の許可を受けた者 |
イ | 貨物自動車運送事業法(平成元年法律第83号)第3条の一般貨物自動車運送事業の許可を受けた者 |
ウ | 事業の実態が運送の事業に該当し、土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法(昭和42年法律第131号)の適用を受ける者 |
エ | 貨物自動車運送事業法(平成元年法律第83号)第36条の貨物軽自動車運送事業の届出を行った者 |
オ | 自ら保有する二輪の自動車を、バイク便事業者(注)に持ち込んで、当該バイク便事業者に専属して貨物を運送する者であって、道路運送法(昭和26年法律第183号)第78条第3項の有償運送の許可を受けた者 (注)エのうち、二輪の自動車を使用する貨物軽自動車運送事業を行う者をいう。 |
カ | 原動機付自転車を使用して行う貨物運送事業(他人の需要に応じて、有償で、貨物を運送する事業)を行う者 |
人材開発協会による特別加入サポートの対象地域
人材開発協会を通じた労災保険の特別加入は、下記の地域を対象としています。 「東京都」「埼玉県」「神奈川県」「千葉県」「「山梨」」
特別加入制度の概要
労災保険の特別加入制度について「補償の対象となる範囲」「給付基礎日額・保険料」「加入時に必要な費用」をご案内します。
補償の対象となる範囲
①個人タクシー業者、個人貨物運送業者
- 免許などを受けた事業の範囲内において事業用自動車を運転する作業(運転補助作業を含む 、貨物の積み卸し作業およびこれらに直接附帯する行為を行う場合
- 突発事故(台風、火災など)により予定外に緊急の出勤を行う場合
②建設業の一人親方等
- 請負契約に直接必要な行為を行う場合
- 請負工事現場における作業およびこれに直接附帯する行為を行う場合
- 請負契約に基づくものであることが明らかな作業を自家内作業場において行う場合
- 請負工事に関する機械や製品を運搬する作業(手工具類程度のものを携行して通勤する場合を除)およびこれに直接附帯する行為を行う場合
- 突発事故(台風、火災など)により予定外に緊急の出勤を行う場合
③漁船による自営漁業者
- 水産物植物の採捕、これに直接必要な用船中の作業およびこれらに直接附帯する行為を行う場合
- 最終の発地から漁船まで、または漁船から最初の着地までの間において行為を行う場合
- 突発事故により予定外に緊急の出勤を行う場合
④林業の一人親方等
- 森林の中の作業地、木材の搬出のための作業路およびこれに前後する土場における作業並びにこれに直接附帯する行為を行う場合
- 作業のための準備・後始末、機械等の保管、作業の打ち合せなどを通常行っている場所(自宅を除く場所で、以下「集合解散場所」という)における作業およびこれに直接附帯する行為を行う場合
- 集合解散場所と森林の中の作業地の間の移動およびこれに直接附帯する行為を行う場合
- 作業に使用する大型の機械等を運搬する作業およびこれに直接附帯する行為を行う場合
- 台風、火災などの突発事故による緊急用務のために作業地または集合解散場所に赴く場合
⑤医薬品の配置販売業者
- 住居を出た後の最初の用務先からその日の最後の用務地までの間に行う医薬品の配置販売業務(医薬品の仕入れを含む)およびこれに直接附帯する行為並びに医薬品の配置販売業務(医薬品の仕入れを含む)を行うために出張する場合(住居以外の施設における宿泊を伴う場合に限る)
⑥再生資源取扱業者
- 再生資源を収集、運搬、選別、解体するなどの作業およびこれに直接附帯する行為を行う場合
- 再生資源を収集、運搬するために行われるトラックなどの貨物運搬用車両などを運転または操作する作業およびこれらに直接附帯する行為を行う場合
- 台風、火災などの突発事故による緊急用務のために、再生資源の集積場所などに赴く場合
⑦船員法第1条に規定する船員
- 船員法の適用のある船舶に乗り組んでいる場合(恣意的行為など積極的な私的行為を除く)
- 突発事故(台風、火災など)により予定外に緊急の出勤を行う場合
- 下船後における旅客の乗降のための作業および、荷下ろしなどの作業または出荷のための作業など事業のためにする行為に直接附帯する作業についても、事業の性質に応じて業務遂行性が認められることがあります。
給付基礎日額・保険料について
労災保険の保険料は「給付基礎日額」によって決まります。給付基礎日額は加入者が選択することができ、金額が高いほど手厚い補償を受けることができます。下の表は、給付基礎日額と保険料の一覧表です。
給付基礎日額 | 保険料算定基礎額 | 年間保険料 | |
---|---|---|---|
(例1)建設の事業の場合 | (例2)個人タクシー事業の場合 | ||
25,000円 | 9,125,000円 | 173,375円 | 127,750円 |
24,000円 | 8,760,000円 | 166,440円 | 122,640円 |
22,000円 | 8,030,000円 | 152,570円 | 112,420円 |
20,000円 | 7,300,000円 | 138,700円 | 102,200円 |
18,000円 | 6,570,000円 | 124,830円 | 91,980円 |
16,000円 | 5,840,000円 | 110,960円 | 81,760円 |
14,000円 | 5,110,000円 | 97,090円 | 71,540円 |
12,000円 | 4,380,000円 | 83,220円 | 61,320円 |
10,000円 | 3,650,000円 | 69,350円 | 51,100円 |
9,000円 | 3,285,000円 | 62,415円 | 45,990円 |
8,000円 | 2,920,000円 | 55,480円 | 40,880円 |
7,000円 | 2,555,000円 | 48,545円 | 35,770円 |
6,000円 | 2,190,000円 | 41,610円 | 30,660円 |
5,000円 | 1,825,000円 | 34,675円 | 25,550円 |
4,000円 | 1,460,000円 | 27,740円 | 20,440円 |
3,500円 | 1,277,500円 | 24,263円 | 17,878円 |
労働保険事務組合事務処理手数料規定
1. 規模別事務処理手数料一覧表 ※本規定は人材開発協会に労働保険の事務処理を委託する場合に適用します。
(税別)
人数 | 1~4 | 5~10 | 11~15 | 16~20 | 21~30 | 31~40 | 41人以上 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
労災のみ | 3,000 | 5,000 | 6,000 | 8,500 | 10,000 | 12,000 | 別途協議 |
年額 | 36,000 | 60,000 | 72,000 | 102,000 | 120,000 | 144,000 | 別途協議 |
労災雇用 | 5,000 | 8,000 | 10,000 | 13,000 | 16,000 | 20,000 | 別途協議 |
年額 | 60,000 | 96,000 | 120,000 | 156,000 | 192,000 | 240,000 | 別途協議 |
入会金 | 一律10,000円 |
2. 人数は事業主と全従業員(非正規従業員を含む)の合計人数とします。 3. 入会にあたり労働保険を新規に成立する場合で、労災のみ成立のときは10,000円を、雇用保険も成立するときは20,000円を、それぞれ別途に申し受けます。 4. 退会時に於いて、個別への労働保険成立届は別途に10,000円を申し受けます。 5. 会費は退会月までとします。 6. 労働保険料および事務処理手数料は、年3回(6月・10月・1月)に分けて、労働保険料と同日に御社指定口座から引落しとなります。 7. 本規程に定める手数料には、別途消費税を申し受けます。 8. 本規定は平成31年4月1日から施行します。
労災保険加入手続きの流れ
一人親方の方が労災保険に特別加入するには、人材開発協会(特別加入団体)を通して手続きをする必要があります。手続きの大まかな流れは下記になります。
- 下記フォームより当協会への加入申し込み
- 協会より加入のご案内
- 一人親方の方から各種申請書のご提出
- 協会にて労働局長に申請
- 加入完了
健康診断が必要なケース
下記表に記載されている業務に、それぞれ定められた期間従事したことがある場合には、特別加入の申請を行う際に健康診断を受ける必要があります。
特別加入予定者の業務の種類 | 特別加入前に左記の業務に従事した期間(通算期間) | 必要な健康診断 |
---|---|---|
粉じん作業を行う業務 | 3年以上 | じん肺健康診断 |
振動工具使用の業務 | 1年以上 | 振動障害健康診断 |
鉛業務 | 6ヶ月以上 | 鉛中毒健康診断 |
有機溶剤業務 | 6ヶ月以上 | 有機溶剤中毒健康診断 |
一人親方特別加入お問い合わせフォーム
加入をご検討中の方、お問い合わせは、以下のフォームにご記入下さい。 当方より折り返しご連絡致します。 ※はご記入が必須の項目となります。
人材開発協会:03-6380-8530